世の中には数え切れないくらい投資詐欺の事例があります。実際、私の友人(EさんとHさん)と私はそれぞれ異なる詐欺案件に騙されて大金を失ったことがあります。


ただ、当時の経験を元にさまざまな人と議論するうちに、投資詐欺に引っかからないためには、3つのことに注意する必要があることがわかってきました。

そこで今回は「投資詐欺に遭わないために確認すべき3つのポイント」を紹介します。あなた自身が被害者にならないためにも、この3つのポイントはしっかりと覚えておいてください。



通常、詐欺案件に引っかかるときは以下のような流れで話が進んでいきます。

<投資詐欺に遭うまでの流れ>
① 詐欺師と知り合う
② 詐欺師から投資案件の話を聞く
③ 投資案件を契約する

そして、①~③の各段階で注意しなければならないことがあります。それぞれのポイントについて解説していきます。

① 知り合ったばかりの人が紹介する投資案件には警戒する

詐欺師と知り合ってしまうきっかけは人それぞれです。

私の場合は、詐欺師が主催する投資セミナーに自ら参加してしまったことがきっかけでした。また、私の友人Eさんは詐欺師が発行するメルマガに登録したことで詐欺師と面識を持ってしまいました。さらに、私の友人のHさんは、会社の先輩から詐欺師を紹介されてしまいました。

このように、詐欺師と知り合う経緯は人それぞれです。ただ、古くからの友人が私たちに詐欺を働くことはまずないでしょう。いいかえると、「知り合ったばかりの人」が私たちに詐欺案件を紹介することが多いのです。

ただ、通常であれば、知り合ったばかりの人が投資案件を勧めてくることは滅多にありません。私のように普段から資産運用を行っていることを公言し、投資家の知人が多い場合であっても、新しくできた知り合いから投資案件を紹介されるケースはほとんどないのです。

そのため、「知り合ったばかりの人が勧めてくる投資案件」には警戒する必要があります。その案件が必ずしも詐欺というわけではありませんが、話を聞く際は少し警戒しておいたほうがよいでしょう。

② 投資案件の詳細をしっかりと確認する

ここでは、新しく知り合った人が「元本保証で年間利回り30% の投資案件を紹介してきた」と仮定して話を進めていきます。

詐欺師は話が非常にうまいです。自然な流れの中で、投資案件(元本保証で年間利回り30%)の話を紹介してきます。そして、言葉巧みに私たちにその案件を勧めてくるのです。

「元本保証で年間利回り30%」と聞くとすぐに契約したくなるかもしれません。しかし、一度冷静になって投資案件の詳細を確認する必要があります。

今回のケースであれば、以下のような質問を投げかけてみるとよいでしょう。

  • 投資案件の仕組みは?
  • なぜ元本を保証できるのか?(保証主に保証能力はあるのか?)
  • 元本が保証されないケースは想定されるのか?
  • 30%の年間利回りを確保できるのはなぜか?
  • 年間利回りは40%や20%ではなく、なぜ30%なのか?
  • この投資案件のデメリットは何か?
  • あなたはなぜ私にこの案件を紹介するのか?
  • 私に紹介することであなたに紹介料が入る場合、その紹介料の源泉は何か?
  • あなたもこの案件に投資しているのか?


このように、さまざまな質問を投げかけてみて、納得できる回答が得られるかどうかを確認するのです。

ちなみに、今回の「元本保証で年間利回り30%」の投資案件であれば、回答のどこかに必ず無理が生じます。なぜなら、このような投資案件は絶対に作れないからです。

世界一の投資家ウォーレン・バフェットでさえ、過去の平均利回りは年間20%程度です。しかも、株式投資がメインなので、元本は保証されません。国債への投資であれば、国が破綻しない限り元本は保証されますが、30%の利回りはあり得ません。

いずれにしろ、「紹介された投資案件について納得できるまで確認する」ということがとても重要です。「相手の回答が納得できるかどうか判断できない」という場合は、資産運用に詳しい人に相談するようにしてください。あいまいな理解のまま話を進めてはいけないのです。

また、「相手が○○証券の営業マンだから」や「友人から紹介された人だから」のような理由で相手を信用してはいけません。

詐欺師の中には、楽天証券の営業担当を「自称」している人もいます。また、「友人」は信頼できる人でも、「友人が紹介する人」が信頼できるとは限りません。あくまで「投資案件の詳細」に着目して判断することが重要なのです。

③ 契約書をよく読む

投資案件に十分に納得できた場合は、正式な契約に進むことになります。ここで重要なのは、「契約書をしっかり読む」ということです。なぜなら、話していた内容と実際の契約内容が異なることがあるからです。

例えば、手数料については一度も話してくれなかったのに、契約書には「年間手数料は投資金額の10%」「手数料は利息(運用益)から差し引く」のように記載されていることがあります。

この場合、「年間利回り30%と思っていたのに、実際は20%だった」ということになってしまうのです。

このように、契約する前に契約書をしっかりと読むことが重要です。読んでもよくわからない場合は、知人の弁護士などに相談するとよいでしょう。

実際、私の友人はある案件の契約書の内容を弁護士に確認してもらったことがあります。そして、契約内容に不備があったため、結局契約しなかったのです。

このように、契約書には必ず目を通すことが大切です。また、相手から契約を急かされる場合は、詐欺案件である可能性もあります。なぜなら優良な業者であれば、必ず顧客が納得するまで待ってくれるからです。

まとめ

  • 投資詐欺に遭わないために注意しなければならないポイントは次の3点である。
  • ① 知り合ったばかりの人が投資案件を紹介してきたときは警戒する。
  • ② 投資案件の詳細について細かく質問し、回答に無理がないか確認する。
  • ③ 契約書をしっかりと読み、話していた内容と同じか確認する。

今回は、「投資詐欺に騙されないために確認すべき3つのポイント」について解説してきました。私自身はこの3つのポイントをすべて怠ってしまったため、被害者になってしまいました。

あなた自身が被害者にならないためにも、今回の内容はしっかりと覚えておくようにしてください。そして、くれぐれも「安易な儲け話」に乗らないようにしてください。