株式投資やFX(外国為替証拠金取引)などで1ヶ月に100万円以上を稼ぐ人がいると聞きました。未経験の私でも、安定的に月100万円を稼げるようになるでしょうか?
投資資金として4億円以上を準備できるのであれば、安定的に月100万円を得ることは可能です。投資資金がもっと少ないのであれば、「1ヶ月に100万円を稼げるかもしれないが、100万円を失う可能性もある」という方法を採用することになります。それは投資でなく投機になるので、投資経験の有無に関わらずおすすめしません。

元本保証で月100万円を得るには4億円以上の投資資金が必要

日本は低金利が続いていますが、それでも銀行にお金を預けておけば、ほんの少しだけお金が増えます。預金することによって利息が得られるからです。しかも、銀行に預けたお金が減る(=元本割れ)ことはありません。つまり、銀行預金は元本が保証された投資先と考えることができます。

※ 日本が破綻した場合は元本は保証されません

それでは、銀行預金のように元本が保証されて、さらにもっと利回りのよい投資先はあるのでしょうか?

100%元本が保証されるわけではありませんが、銀行預金のように安定的な利回りを実現できるものとして「債券」があります。

会社が発行する「社債」の場合は、会社が倒産した場合に元本が保証されません。そのため、元本保証をより重視するのであれば「国債」がおすすめです。

ただ、国債に投資をする場合に関しても、破綻するリスクのない国(=経済力のある国)が発行する国債に投資したほうがよいでしょう。その際、満期までの期間が長い国債に投資したほうが利回りは高くなります(銀行の定期預金も長期のほうが利率は高いはずです)。

以上のような観点で総合的に判断すると、アメリカの10年国債がもっとも安定的かつ高い利回りの投資先になると考えられます。

アメリカの10年国債であれば、投資する時期によって多少異なりますが、だいたい3%くらいの利回りを得ることができます。もし4億円を投資することができれば、年間1,200万円(4億円×3%)の利益を得られるので、一ヶ月あたりに換算すると100万円になります。

ただ、海外への投資なので、為替変動の影響を受けます。「元本保証」や「高利回り」というのはあくまで”ドル”をベースに考えた場合に限られるのです。

もし、債券投資をした後に円高・ドル安が進行してしまうと、ドルを円に両替したときに受け取る日本円が少なくなってしまいます。これを為替差損といいます。つまり、為替差損が原因で元本割れする可能性があるのです。逆に、円安・ドル高になると、為替差益が発生して利益が上乗せされます。

為替差益と為替差損

このように、外国債券への投資は為替の影響を受けるため、確実に元本が保証されるわけではありません。ただ、満期時に円高・ドル安になった場合は、為替が円安・ドル高になるまで待ってから円に換金するとよいでしょう。そうすれば、為替差損による元本割れを回避することができます。

大きな利益を安定的に得るためには「投資資金」と「投資期間」が重要

上述のとおり、莫大な金額を投資すれば、1ヶ月間あたり100万円の利益を安定的に得ることは可能です。

逆に、投資金額が少ない場合は、投資する期間を長くすることで利益を増やすことができます。

仮に、100万円の投資資金を年間10%の利回りで運用したとします。複利(運用で得た利益を再投資すること)で運用すると、約7年で元本は2倍の200万円になります。その7年後にはさらに2倍の400万円。その7年後には・・・と計算すると、49年後には投資資金は128倍(27)の1億2,800万円になるのです。

そして、年間平均利回り10%の運用というのは不可能ではありません。世界経済は平均して年間3~5%の割合で成長しているため、世界経済の成長よりも少し高い利回りを実現できれば、年間10%の利回りは達成できるのです。実際、私自身も年間平均10%以上の利回りで運用できています。

このように、莫大な投資資金 or 長期投資のいずれかを利用することによって、安定的に大きな利益を得ることができるようになります。逆にいうと、「少ない投資資金&短期」では、安定的に大きな利益を得るのは難しいのです。

「少ない投資資金 & 短期」で稼ぐのは投資ではなく投機

たしかに世の中には短期で莫大な利益を得ている人がいます。例えば、信用取引(借金をして自己資金以上の取引をすること)を利用して、1日のうちに何度も株を売買するデイトレーダーや買った株を数日以内に売却するスイングトレーダーのような人たちです。また、FXで稼いでいる人もいます。

ただ、あくまで私個人の意見ですが、このような運用スタイルは「投資」ではなく「投機」に該当します。

投資とは、「価値を生み出すもの(株・債券・不動産)にお金を投じて、その結果、新しく生まれた価値(企業が稼いだ利益など)の一部を受け取ること」です。

<参考記事>私が考える投資の定義は以下の記事に詳しく記載されています

資産運用における投資対象は3つ(株・債券・不動産)だけである


一方、デイトレーダーやスイングトレーダーのように頻繁に売買を繰り返すことは、「新しく生まれた価値の一部」ではなく、「株の値動きから生まれた利ざや」を得ることを目的としています。このような運用スタイルは、タイミング(会)だけが重視されることから、投資ではなく投なのです

そして、投機によって短期で大きな利益を得ようとすると、反対に大きな損失を抱える可能性もあります。また、ハイリスク・ハイリターンの運用スタイルなので、日々の値動きに一喜一憂することになり、精神的にも疲れてしまいます。

このようなスタイルで大きな利益を得ている人も実際にいますが、私自身は「投資」を推奨しているため、投資経験の有無に関わらず、「投機」はおすすめしていません。(単に私自身がそのような短期売買を苦手にしているだけですが、、)