株式投資をしている人はインターネット上でさまざまな情報にアクセスしています。この記事を読んでいるあなたも、なんらかのキーワードでウェブ検索をしてこのサイトに辿り着いたのだと思います。

ネットサーフィンをしていると、「弊社の推奨銘柄が株価2倍を達成!」や「弊社の予想が的中!」というフレーズを見かけることがあります。これらは投資顧問会社のセールス文句です。

ただ、株式投資で利益を得たいのであれば、インターネット上で出会うこれらのフレーズは無視しなければなりません。

そこで今回は、上記のフレーズを無視しなければならない理由について解説していきます。株式投資で利益を得るためには、人の意見に左右されず、自分の考えで銘柄を選択しなければならないことを理解しておきましょう。

投資顧問会社の銘柄推奨サービスの実態

まずは下図を見てください。これはある投資顧問会社のホームページから抜粋した図です。

投資顧問会社のHP

この図からは、この投資顧問会社の予想が的中して、推奨した銘柄の株価が短期間で急上昇している様子がわかります。

このような図を見ると、「この投資顧問会社の予想はすごい」「私にも推奨銘柄を教えてほしい」と思う人がいるでしょう。ただ、冒頭に述べたとおり、これらの実績に惹かれて投資顧問会社と契約することはあまりおすすめしません。なぜなら、投資顧問会社の予想は外れることのほうが多いからです。

私はこのことを身をもって経験しています。そこで、過去に投資顧問会社と契約したときの私の体験談を紹介します。

私の体験談

株式投資を始めて間もない頃、私はある投資顧問会社の月額会員になりました。1ヶ月間の会費は30,000円と高額でしたが、推奨銘柄の株価が何倍にもなれば、すぐに元が取れると思ったのです。

私が契約したのは、「急上昇が予想される3銘柄」が毎日メールで送られてくるコースです。日々送られてくるメールには、「その銘柄を推奨する理由」「利益確定ライン(目標の株価)」「撤退ライン(ロスカットする株価)」が記載されていました。

契約してすぐにメールが送られてきたので、私も「これで儲けられる!」と思ったものです。ところが、毎日3銘柄も推奨されるので、全部買うと一週間で15銘柄になります。一ヶ月間だと約60銘柄になってしまいます。

当然そんなに多くの銘柄を買うことはできません。結局、私は最初の一週間で推奨された銘柄のうち、約10銘柄を購入しただけで、それ以降は、資金不足のため推奨銘柄を買うことはできなかったのです。つまり、一ヶ月間の契約期間のうち、自分の株取引に応用できたのは最初の一週間だけだったのです。

それでもその10銘柄の株価が急上昇すれば、何も問題ありません。しかし、当時買った銘柄はひとつも利益確定ライン(目標株価)に到達することはありませんでした。

2週目以降に推奨された銘柄の中には、たしかに利益確定ラインに到達した銘柄もありました。しかし、当時の私は「一ヶ月に60銘柄も推奨していたら、なかには予想どおり値上がりする銘柄もあるよね。」「毎日1銘柄でいいから、もっと精度の高い情報を教えてほしい。」と思ったものです。

このように、投資顧問会社の予想はある意味「数を撃てば当たる」という戦略です。当時の私はこのことを認識したため、契約を延長することはありませんでした。

投資顧問会社の「実績」にはさまざまなからくりがある

ここまで述べてきたように、投資顧問会社の予想は外れることのほうが多いです。

ただ、なかには予想どおり株価が急上昇する銘柄もあります。そのような予想が的中した銘柄をピックアップして、上図のように「実績」としてホームページ上で大々的にアピールしているのです。

また、的中率を上げるために、利益確定ライン(目標株価)を低めに設定しているケースもあります。そして、「的中率 70%!」のようにアピールすることもあるのです。

このように、投資顧問会社の「予想が的中!」という言葉の裏には、さまざまなからくりがあります。投資顧問会社のホームページを見るときは、このような事実があることを知っておいてください。

プロの予想は聞き流す

次は下の図を見てください。これはYahoo!ファイナスで確認できるプロ(投資アドバイザー、証券アナリストなど)の予想です。投資のプロが1日~1ヶ月以内に株価が上がる(or 下がる)銘柄を予想しているのです。

Yahoo!ファイナンスの予想1

ここで確認してほしいのは「勝率」の欄です。ほとんどのプロが「勝率 5割前後」であることがわかります。

株価は「上がる」「変わらない」「下がる」のどれかです。ただ、変わらないことはあまりないため、通常は「上がる」か「下がる」のどちらかです。そのため、適当に予想しても勝率は5割前後になります。「サイコロを振って偶数が出れば買い、奇数が出れば売る」というように売買しても勝率は5割になるのです。

このことからも、プロの予想は当てにならないことがわかります。ただ、なかには下図のように勝率の高いプロもいます。しかし、このような場合はたいてい予想している回数が少ないです。

Yahoo!ファイナンスの予想2

このケースでもわずか2回もしくは12回しか予想していません。そのため、たまたま最初の予想が当たって勝率が高くなっているのです。

このように、株式投資をする上で、プロの予想を参考にしても勝率は上がりません。プロの予想は参考にせず、聞き流すようにしましょう。

※ 今回は詳しく述べませんが、株式投資において「勝率」はあまり重要ではありません。勝率1割でもトータルでプラスであれば問題ないからです。ただ、ここでは「プロでもよく予想を外している」ということを理解しておいてください。

資産運用は「自己責任」だからこそおもしろい

株式投資に限りませんが、資産運用は「自己責任」が基本です。投資顧問会社が推奨する銘柄を買って損をしても、投資顧問会社は責任を取ってくれません。プロの推奨銘柄についても同じです。

「株式投資=自己責任」である以上、銘柄の選択や売買のタイミングは自分で決めなければならないのです。実際、私自身も数多くの失敗を積み重ねながら自分なりの方法論を確立してきました。

ただ、いったん自分なりの方法論を確立すれば、一生稼げる武器になります。最初は苦労するかもしれませんが、いろいろ試行錯誤しながら自分なりの手法を確立する過程は意外と楽しいものです。

そして、その方法論を確立するために役立つ情報は、当サイト「資産運用ラボ」でも公開しています。あなたもぜひ自分の力で銘柄を選択できるようになってください。

まとめ

  • 投資顧問会社の実績にはさまざまなからくりがある。そのため、「予想が的中!」などのセールス文句は無視しなければならない。
  • プロ(投資アドバイザー、証券アナリストなど)の予想は当たらないので基本的には聞き流したほうがよい。
  • 人の意見に左右されず、自分の頭で銘柄を選べるようになったほうがよい。

今回は、投資顧問会社やプロの予想について、私なりの意見を述べてきました。これらの予想や推奨銘柄は基本的には無視するようにしましょう。試行錯誤しながら自分なりの方法論を確立することが、長い目で見て大きな成果を生み出すのです。